経理部奮闘記⑦原価計算基礎編

経理部奮闘記⑦原価計算基礎編

製造業の会社に入社して経理に配属されたら、絶対に必要になるのが原価計算です。

今回は原価計算の用語について解説いたします。日商簿記検定では2級で扱う工業簿記の範囲になります。

原価計算とは

まず原価計算とはなんなのか?

会計の世界に入ったことがない方には聞き馴染みがない言葉かもしれません。

原価計算とは簡単にいうと、作ったものの金額を算定、計算することをいいます。

製造業においては製品コストの把握、販売価格の決定に使われるなど、極めて重要な計算になります。

一般的な原価計算方法は原価計算基準としての定められていますが、細かいルールは企業によってかなり違ったものになります。

ここでは一般的なルールを元に解説いたします。

原価計算の内容を把握するためには最終的には製品の原価(作るためにかかった費用)を集計したいという目標を見失わないことが大切です。

製品の原価を把握するために今自分が行なっている計算はどの段取りの位置なのだろうということを意識するのが早く理解するためのコツです。

では1つ1つ見ていきましょう。

実際原価計算

実際にものを作るのにかかった金額を計算する方法になります。実際原価計算には大きく手順があります。

  1. 費目別原価計算
  2. 部門別原価計算
  3. 製品別原価計算

順番に見ていきましょう。

費目別原価計算

費目別原価計算とは企業から出ていったお金に対してそれは何に使った費用かを材料費、労務費、経費に別ける計算のことをいいます。

材料費はものを作るのにかかった材料代金で、ケーキに例えると卵や牛乳などが材料費になります。

労務費はものを作るのにかかった人件費、ケーキで言えばケーキを作る人の給料が労務費になります。

経費はものを作るのにかかった費用全般、ケーキで言えばミキサーを動かす電気代などが経費になります。

これら3つの分類はさらに2つずつの分類に分けられます。

形態別分類

材料費は直接材料費と間接材料費、労務費は直接労務費と間接労務費、経費は直接経費と間接経費に分けられます。

見ていただくとわかると思いますが、直接と間接に分かれています。

直接と間接に分ける基準はあるものを作るためにかかったと明確に分けられるかどうかです。

例えばケーキA,ケーキB,ケーキCとあった場合にケーキAのスポンジを作るの要した卵や薄力粉などは明確にわかるので直接材料費になります。

一方、ケーキを作るのに必要な泡立て器や計量スプーンなどはケーキA,ケーキB,ケーキC全てに使っている消耗品なのでどれに対してかかっている費用かわかりません。そのため間接材料費になります。

こういった分類を始めるところから原価計算は始まります。実務上は直接材料費〇〇円直接労務費〇〇円といったように段階を踏まず一度に分類分けをしてしまいます。

また後述する部門別原価計算も実務上は同時に分類分けします。

なので製造業経理に配属されたら、まずこの分類分けが当たり前にできるように勉強しましょう。わからないところは先輩社員に聞きましょう。

部門別原価計算

費目別原価計算の次は部門別原価計算を行います。

こちらも費目別原価計算と同じような感じで分類分けを行います。

まず製造部門A,製造部門B,製造部門Cとあった場合にそれぞれのどこの部門で発生したかわかる費用は部門個別費として発生した製造部門に集計します。

一方、どの部門にどれだけかかったかわからない費用は部門共通費として分類し、一定の基準(配賦基準)を元にそれぞれの部門に配賦します。

ここまででそれぞれの部門で費目ごとにコストが集計されたことになります。

ちょっとイメージしづらいところですが、迷ってしまったら再度目的と原価計算の中のどの位置にいるかを再度確認しましょう。

目的は製品別にいくらお金がかかったかを把握することで、今は費目別原価計算⇨部門別原価計算と集計作業をしているところです。

部門別に集計した後に、製品に対してコストを集計するにはどうすればよいでしょうか。

部門には実際にものを作っている部門と製造をサポートしている部門があります。

製品のコストを求めるには製造している部門がサービスを提供している部門からどれだけサービスの提供を受けたかによってサポート部門のコストを製造部門に配賦してあげると合理的です。

この配賦方法は会社によって違うので自社が使っている基準を聞いておきましょう。

簿記二級を受験する際は配賦方法も問題となるので、各種配賦方法と特徴をつかむようにしましょう。

製品別原価計算

製造部門にコストを集計した後はいよいよ製品別に原価を集計します。

ここから製品への集計方法は様々になります。

例えば直接材料費に関しては製造した製品の数量を持って費用を振り分けたり、同じ材料から複数の製品ができる場合は構成比率を使用して金額を算定します。

直接労務費に関しては製造した製品の作成に要した時間を持って振り分けたりします。

こうして製品別にいくらかかったというのを集計するのが実際原価計算です。まずは大きな流れ、費目別原価計算⇨部門別原価計算⇨製品別原価計算を覚えておきましょう。

標準原価計算

実際原価計算に対して事前に目標値となると金額を決めて製品の原価を計算する方法を標準原価計算といいます。

標準原価計算はそれぞれの製品に対して、一個あたりいくらでできるだろうという目標金額(原価標準)を設定します。

そして実際原価計算を行った結果と突合し、目標値に対して高くかかってしまったのか、安く済んだのかという差額(原価差額)を算定します。

この原価差額は様々な要因があります。目標とした仕入れ金額より高く仕入れたため原価が目標よりかかってしまったといった内容であったり、一個あたりの製品を作るのに工夫して短い時間でできたためにコストが安く済んだといった内容があります。

こうした要因分析をして、次の生産に繋げていく原価低減活動のために実施されます。

なので標準原価計算ではどこで実際と目標とで差額が発生したかというのを分析することがポイントとなります。

まとめ

今回は実際原価計算と標準原価計算について用語の解説をしました。

製造業の経理に配属された人は原価計算に関わる可能性が非常に高いので、まずは全体の流れと目的を把握することに努めましょう。

原価計算にはまだまだ学習したほうが良い論点がありますので今後記載する予定です。